「風土」が「文化」をはぐくんできました。風土は、自然環境といいかえることができます。また、文化は、そこでの暮らし方のクセのようなものといいかえてもよいでしょう。
かつて、橋梁や交通が未発達な時代には、河川を横切っての往来や物流よりも河川を上下してのそれがより重要でした。高梁川でも、近世までは高瀬舟や筏(いかだ)が上り下りしていたものです。
緑たおやかな山々が清く豊かな水流を生み、田や海をうるおす。それは日本の各地に相通じることでもありますが、ここは、とくに災害をともなわない恵まれた風土であるといえます。そこに、文化とともに備中人の「気質」までもはぐくまれたのです。
私たちは、この高梁川流域の風土と歴史・文化を再考して大事に伝承したい、と思います。